道の駅「海の京都 宮津」(宮津市浜町)が10月1日、リニューアルオープンした。今年4月から指定管理者として運営する京都丹後企画(与謝野町)が、直売所と飲食施設の売り場、空間、メニューを見直した。
看板メニューの“白い”海鮮ひつまぶし(1,980円)。奥はオリジナルドリンクとクラフトビール「ASOBI PALE ALE」
同道の駅は2017(平成29)年に開業した。京都丹後企画は、与謝野町でクラフトビールを製造するローカルフラッグと、全国各地のまちづくり会社と事業を行うNEWLOCAL(東京都中央区)が共同で設立した会社。宮津市内でホテル「mizuya」や「カネマスの七輪焼き」などを手がける。
同社は宮津市の出口調査や、アンケートに寄せられた「海鮮を食べたい」「夜開いていない」といった声を基に、3つの課題を挙げた。「海の京都」らしさを示す名物メニューがないこと、豊富な品ぞろえや作り手の思いが伝わりきらない直売所の売り場、「通過点」からの脱却だ。明確な名物がないために目的地になりにくく、近年は宿泊客が増える一方で、「夜の食」の受け皿が足りていなかったという。
リニューアルのコンセプトは「『うまい!』があふれ出す、みなとの市場」。地元農家の生産者組合から始まった直売所「まごころ市」の歩みと、北前船の寄港地として人や物、食が集まった港町・宮津の歴史を踏まえた。
飲食施設は「ハマカゼカフェ」から「みなと食堂 しおさい」に名称を改めた。店名には、宮津の海の恵みである「潮」と、畑の恵みである野菜の「彩」が出会う食堂という意味を込めた。家具を一新して座席を増やし、カウンター席やベンチシート、ハイテーブルを新たに設けた。自社醸造のクラフトビールを提供する4タップのたる生サーバーも備えた。夜間営業は、ハイシーズンの祝日・週末を中心に試行的に始める。
看板メニューとして開発したのが「『白い』海鮮ひつまぶし」(1,980円)。宮津で揚がる白身魚と赤エビを特製の塩だれに漬け込み、薬味で味を変えながら食べ、最後は特製のだしで締める。魚は仕入れによって変わり、現在はスズキを中心に使う。このほか、へしことだしを合わせ、ホワイトソースとチーズをかけたドリアを新たに加えた。宮津の名物として知られるカレー焼きそば(1,650円)も、ドライ派とウェット派の「良いところを取り入れた」という一皿に改め、地元のイカと里山野菜を使う。
まごころ市は大型連休前に什器(じゅうき)を入れ替え、今回のリニューアルに合わせてのれんや店内サインを一新した。POPでは、野菜と店頭で販売する酢やドレッシングを組み合わせたレシピを紹介する。同社によると、5月以降の売り上げは前年比約130%、シルバーウイーク期間は約150%だった。出荷する生産者の売り上げも伸びているという。
道の駅全体と各施設のロゴも新しく作った。アートディレクターの寺田千夏さんが手がけた。道の駅全体のロゴは、魚と天橋立の松をモチーフにし、魚の形に宮津の頭文字「M」をあしらった。観光案内所は引き続き宮津市観光協会が運営し、観光情報を案内するほか、レンタサイクルを行う。
9月30日に開いた内覧会で、城崎雅文宮津市長(崎はたつさき)は、同道の駅がある島崎・浜町エリアで民間の活力を生かした再開発に向けた調査などを7年近く続けており、道の駅の拡大に向けた準備を進めていると説明した。近くの商業施設「ミップル」には市庁舎が移転する予定で、2028年秋の運用開始を目指す。城崎市長は「このエリアは宮津市民、行政、ビジネス、観光といったさまざまな人が交流するエリアになる。道の駅のリニューアルは再開発の第一歩となるもので、大いに期待している」と話した。
京都丹後企画の濱田祐太代表は「1人でも多くの方に宮津に来ていただき、宮津に来てよかった、あれを食べてよかった、ここで買ったお土産がよかったと言っていただけるような、満足度の高い道の駅をつくっていきたい」と話す。「地域の事業者や生産者の皆さんに、仕入れという形でしっかり還元していくことが大事」とも。地元の雇用に貢献し、やりがいのある職場をつくりたいと続け、「外からも内からも誇れる場所にしたい」と意気込む。
同社は「宮津に来たら、まず道の駅で『うまい!』に出合ってほしい」と掲げ、観光客の旅の始まりの場であると同時に、地域住民にとって身近な食の拠点を目指す。今後は、体験型ツアーにも取り組む予定。
営業時間は、まごころ市=9時~17時、みなと食堂 しおさい=10時~17時(ランチは11時~14時30分ラストオーダー)。まごころ市は1月1日・2日、みなと食堂 しおさいは水曜定休。10月4日までオープン記念企画を行う。まごころ市では2,000円以上購入した客に、次回1,000円以上の買い物で使える300円分の商品券を進呈する(11月30日まで有効)。みなと食堂 しおさいでは、“白い”海鮮ひつまぶしをランチタイムに各日先着順・数量限定で1,000円で提供するほか、クラフトビール「ASOBI PALE ALE」などのドリンクを特別価格で販売する。