たんたんのうのう会が10月24日、安養寺(京丹後市久美浜町安養寺)の本堂で「第16回安養寺蝋燭(ろうそく)能~幽玄美への誘い~」を開く。演目は丹後にゆかりのある能「大江山(おおえやま)」。同会が稽古をつけてきた地元の子どもたちも出演する。
昨年の安養寺蝋燭能で上演した能「小鍛冶」(提供=たんたんのうのう会)
同寺住職で同会事務局長の藤村康信さんの母親・藤村昌子さん(102)は、能楽師の団体「観世九皐会(かんぜきゅうこうかい)」に所属する能楽師。1961(昭和36)年にプロの能楽師となり、同寺に嫁いでから約70年にわたって地元で能を教えてきた。
同会は、昌子さんの会「藤村好諷会」の活動を引き継ぐ形で2008(平成20)年に発足した。会の名前は、丹後の「丹」と但馬の「但」に、能と英語の「know(知る)」をかけた。
公演の中心となるのは、観世九皐会の能楽師・観世喜正さん。月に1回東京から通い、同寺で稽古を続けている。子どもへの本格的な稽古は約10年前に始め、現在は小学2年生から高校3年生まで9人が通う。10年前に小学2年生で仕舞を発表した子どもは、高校2年生だった昨年、子どもたちが中心となって演じる能で主役を務めた。
同会が掲げる「丹後から能楽師プロジェクト」は、丹後で生まれ育った人から能楽師を出すことを目指す。康信さんは「我々は種まきだと思ってやっている。なるかならないかは、最後は本人の問題。その人が選択できる材料をあらかじめ提供しておくということではないか。いつか花が咲くと信じてやり続ける」と話す。
観世さんは「将来能楽師になりたいと思ってくれる子が一人でも出てくれたらうれしい。自分がやらなくても能を広めてくれたり、また戻ってきてくれたり、そういう道につながってくれるといい」と期待を込める。
同寺の本堂は畳を上げると、能舞台のメインステージとほぼ同じ広さになる。明かりには主にろうそくを使う。観世さんは「ここは寺なので、神仏に奉納する、祈りをささげるという意味合いも醸し出す。古い寺と伝統芸能が合っている気がする」と話す。
「大江山」を選んだのは、丹後にゆかりがあり、子方を2人出せるため。当日は子どもたちが仕舞を発表し、地元の小中学生の一部が地謡に加わる。
同会は11月2日、網野中学校(京丹後市網野町網野)で、子どもたちが主役を務める「若葉能」を開く。演目は「土蜘蛛(つちぐも)」。
17時45分開演。席数は156席。料金は、一般=1万1,000円、小学生~高校生=4,000円。当日券は各500円増し。チケットは京丹後市観光公社のウェブサイトなどで販売している。