鳴き砂温泉株式会社(京丹後市網野町掛津)が10月1日、源泉を100%使ったミスト化粧水「KOTOHIKI BEACH ONSEN MIST」の販売を始めた。
琴引浜を背にした「KOTOHIKI BEACH ONSEN MIST」(提供=鳴き砂温泉)
同社は、鳴き砂温泉の源泉を管理し、琴引浜の8軒の宿に配湯する。宿から毎月受け取る利用料で、ポンプを動かす電気代や年2回のタンク清掃、周辺の草刈り、落雷による故障の修理などの費用を賄っており、設立から30年がたった。修繕や管理に費用がかかるため、より収益を安定させようと商品化を企画した。
鳴き砂温泉は泉質はpH9.48のアルカリ性単純温泉で、同社で商品化を担当する「和のオーベルジュまつつる」(網野町)の松梨善行さんは泉質について「お客さまが褒めてくださる。温泉に詳しいコアなファンの方が、どこの温泉に源泉が似ているなどと話している。私たちも自信を持って案内してきた」と話す。数年前から源泉を生かした商品を作れないか検討。念願の発売に至った。
製造は、全国の温泉地で温泉を使った商品開発を20年ほど手がけるリプラス(大阪市)に委託。香料や防腐剤を加えない商品を作りたいという同社の考えに合ったという。昨秋に役員らが同社を訪れ、温泉の成分表を見た担当者から、「美肌の湯」で扱ってきた温泉の中でも「五本の指に入る」との評価を受けたという。
今春、ミスト、パック、入浴剤の3種類を試作し、宿の関係者が使い比べた。入浴剤は温泉の割合が少なくなってしまうことから見送った。パックは温泉の配合割合が違う2種類があったが、いきなり複数の商品を出すのはリスクがあると判断し、最初の商品は温泉を100%使ったミストに絞った。普段は温泉に入らない女将(おかみ)や、妻が美容師の宿のオーナーからは、早く製品化して普段使いしたいとの声が上がったという。「我々は毎日温泉を使うので当たり前になっていたので発見だった」と松梨さん。
容量は80グラム。温泉から有機物を取り除いて無機物だけにし、無菌処理した上で、窒素ガスで噴射する容器に詰めた。化粧水の前に使う「ブースターローション」として提案する。一日1回顔に使うと、1カ月半ほど持つという。
製造本数は約1500本。当面は8軒の宿のみで販売する。価格は、発売記念の特別価格として1,500円に設定した。売り上げの一部は琴引浜の環境保全のために寄付する。
松梨さんは「利益を追求するためにこの商品開発をしているのではなく、琴引浜らしい宣伝ツールの一つとして考えている。使ってもらえれば、きっと良さを分かっていただけると思う」と話す。今後は製造する本数を増やし、委託販売でも利益が出る形にする「ステージ2」を考えている。琴引浜周辺の施設での販売も検討する。
販売場所は、民宿尾江、島田荘、ニュー丸田荘、御宿矢吉、民宿矢谷、砂の館、和のオーベルジュまつつる、海士館松栄(以上、網野町)。数量限定。問い合わせはインスタグラムで受け付ける。