ベーグル店「BES bagels(ベス ベーグル)」(京丹後市久美浜町)が8月13日、オープンから半年を迎えた。店は宿「みんなのふる里 blue legend」内のシェアキッチンを使い、酒種酵母を使ったベーグルを販売する。
店主は兵庫県香美町出身の中井雪花さん。神戸で働いた後、ニュージーランドでワーキングホリデーを経験。帰国後は、地元でパン店や和食関連の仕事に関わり、縁あって久美浜で店を開いた。
ベーグル作りの土台にあるのは、中井さん自身の食の経験だ。高校生の時に食物アレルギーがあり、食べ物に制限があったという。当時は食べられるものが限られていたが、加工されていないものを食べていた経験が、後から見ると良い食経験になったと振り返る。添加物をできるだけ使わず、素材そのものの味を楽しめる商品作りを大切にしている。
生地には油、乳製品、卵、蜂蜜を使わない。酒種酵母に使うコメは宮津のものを使う。中井さんは「添加物をできるだけ使わず、素材そのものの味を楽しんでもらえるようにしたい」と話す。乳製品やナッツなど、食べられるものが人によって異なることを踏まえ、客が自分に合うものを選びやすいメニュー構成を意識しているという。
中井さんがベーグルを選んだ理由は、もともと好きだったことに加え、汎用性の高さとアレルゲンの少なさにある。今後は米粉やグルテンフリーの商品作りにも取り組みたいという。
店頭には、あんバターやハニークリームチーズなどの定番に加え、季節の食材を使った商品も並ぶ。これまでにブルーベリー、桃、ニンジン、ビーツ、トウモロコシなどを使ってきた。トウモロコシはスープにして生地に混ぜ込むなど、食材の形を変えながら取り入れる。中井さんは「ニュージーランドにいた時、食から季節を感じることは日本の良いところだと強く感じた」と話す。
環境への意識も、ニュージーランドでの経験が影響している。現地ではファーマーズマーケットが身近にあり、パンは紙袋やマイバッグで持ち帰ることが多かったという。店でもできるだけ紙の包装を使い、当日焼いたベーグルが残った場合は、オーブンで焼いたチップスにして提供する。
ベーグルはその日に焼いたものを販売する。通常は一日70個前後、イベント時には100個以上焼くこともある。ドリンクは、コーヒーやほうじ茶、抹茶、発酵由来のリンゴソーダなどを用意する。
開店から半年がたち、中井さんは「やっと流れが分かってきた」と話す。一方で、一人で作れる数には限りがあり、求められる量と品質のバランスを考えるようになったという。「求めてくださるのはありがたいが、クオリティーが落ちてしまうのは避けたい」とし、今後は予約販売の形を整えることも検討する。
今後は、自身の地元で店を構えることも視野に入れる。
商品は290円から。営業時間は10時~15時。月曜・火曜・水曜定休。営業日はインスタグラムで知らせる。