
丹後地域の新成人を祝うイベント「丹後と祝杯」が3月15日、まちまち案内所(京丹後市峰山町杉谷)で開催される。開催は今年で3回目。
主催するのは、丹後の日本酒を発信する団体「KuraNomi(クラノミ)」。コロナ禍で日本酒の売り上げが落ちたのを受け、動画配信で地元の酒蔵を紹介することから活動を始めた。
開催のきっかけについて、企画担当の杉本健治さんは「丹後の地酒は、意外と地元の人に飲まれていない。特に、進学を機に丹後を離れた大学生などが初めて飲むお酒の多くが丹後のものではないと知り、企画を始めた」と話す。
当日は、少量の1杯から日本酒を販売。同団体の稲本朱珠さんは「お酒のハードルを下げて、味の違いなどを楽しめるようにしたい」と話す。
同イベントは丹後地域の5つの酒蔵と与謝野町のクラフトビール「ABOSI BEER」が協賛する。向井酒造は「伊根満開」、白杉酒造は「BLACK SWAN II」、熊野酒造は「久美の浦 祝」、与謝娘酒造は「特別純米 無濾過生原酒」を提供。木下酒造が提供する銘柄は未定で、当日まで非公開だという。
今回は、毎月15日に「まちまち案内所」で開催されるイベント「15会(イチゴカイ)」とのコラボ開催。同会の形式にのっとり、参加者は食事一品を持ち寄り参加する。
同会の参加者は地元で働く大人や家族連れが多い。杉本さんは「コラボ開催することで、新成人と地元の大人との交流が生まれることを期待している。彼らが今後丹後に帰ってきたとき、毎月開催している15会に参加しやすくなるよう、紹介する目的もある。当日は、新成人の夢ややりたいことに大人が共感したら酒代をおごるシステムも設ける。これをきっかけに、今まで出会わなかった世代との会話や交流を楽しんでほしい」と話す。
今後について、杉本さんは「今年成人を迎えた参加者が将来大人になって、その時の新成人をお祝いしているところを見たい。手作りだが細々と続けていき、仕事がないと言われがちな丹後に若い世代が戻ってくるきっかけになれれば」と話す。
稲本さんは「今回新成人だった参加者がいつか、企画運営に参加するようになれば面白い。少しずつ変化を加えながら、継続していきたい」と意気込む。
同イベントは企業や個人からの寄付を1口1,000円から募っている。現物寄付も相談の上可能で、寄付者やメッセージの内容はイベント当日に紹介・掲示する。
参加料は、500円(=1品持ち寄りあり)、1,000円(=持ち寄りなし)。大人2人までの家族1組1,500円。20歳、高校生以下は無料。KuraNomiが提供する酒と食事の代金は別途。事前の申し込みを呼びかけているが、当日の飛び込み参加も可能だという。