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与謝野町にそば専門店 まき火でゆでる十割そば、早期退職で夢かなえる

店主の鍵井輝昭さん

店主の鍵井輝昭さん

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 そば専門店「かぎ屋」(与謝野町明石)がオープンして、2月17日で1カ月がたった。

ざるそば2種盛り。かまど炊き五目ご飯はオプションで提供

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 店主は、地元出身でまきの製造・販売も行う鍵井輝昭さん。10年前、地元の友人が入会していた「明石そば同好会」のそばを食べたことをきっかけに、そば作りに目覚めたという。以降、週末は京都市内のそば店で学び、開業準備を進めてきた。

 鍵井さんは設備工事を請け負う企業に勤めていたが、早期退職制度を使って昨年8月に退職。その後、以前は機工場だった自宅のガレージをDIYで改装した。「10年前から構想してきた。早期退職で55歳になったらやろうと決めていた」と鍵井さんは振り返る。

 鍵井さんはまきを販売している強みを生かし、自分が作ったまきを使いかまどでそばをゆで、まきストーブで店内を温める。店のロゴは鍵井さんの長男が制作し、「そばとまきを表現した」という。

 メニューは全て十割そばを使う。一般的にざるそばのみ十割そばで提供する店が多いが、同店では温かいそばでも使う。店内にある2種類の石臼で毎朝そば粉をひき、その日のうちに手打ちで製造、調理、提供することで、「そばの香りや滑らかな食感を出せる」という。ワサビは「北村わさび」(兵庫県豊岡市)、ネギは「やさい魂研究所」(大宮町)の情熱ネギを使用。「体にいい、安心なものを食べてほしい」という思いから、油を多く使った天ぷらはメニューに加えず、地元野菜にこだわって提供する。

 そばの実は、与謝野産の完熟した黒色の実と鹿児島県産の早刈りの緑色の実を使う。そば実は時々によって変わるという。そばについては、「それぞれ味わいが違う。緑の実はフレッシュ感のある香りと味がある。実によって違うそばの香りを楽しんでもらいたい」と鍵井さん。京都市内で緑色の実を使ったそばを提供しているのは同店を含め2店。黒い実を使った「ざるそば」(1,000円)と、緑色の実を使った「ざるそば」(1,300円)、2色盛り(1,200円)を提供する。「実が高いため価格も少し高いが、ここでしか味わえないそばを楽しんでもらえれば」とも。

 今後について、鍵井さんは「これからもそばを追求していく。夏はサラダそばやすだちそばの提供もしたい。近隣には免許を返納した方も多く、車でスーパーに行けないため、当店で野菜や米も店内で販売も視野に入れている」と意気込む。

 営業は土曜・日曜の11時~14時。予約は受け付けない。

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