島津連合区(京丹後市網野町)が同地区の暮らしや思い出をまとめた冊子「しましまマップ」を発行し、4月10日に配布が始まった。編集・デザイン・イラストは同地区に住むイラストレーター・グラフィックデザイナーのゴボテンこと若狭由貴さんが手がけた。
冊子では各地区の地図や成り立ち、言い伝えなどを伝えている(提供=ゴボテンさん)
同冊子は、島津の歴史や日々の営み、住民の思い出をイラストと文章でまとめたもの。若狭さんは地域の話題で自然に盛り上がる感覚や、暮らしの中に息づく小さな記憶を形に残したいと考え、企画を立ち上げた。企画当時、小学2年生の息子が地域学習の授業で「井十郎商店」(同町)にインタビューをした際、目を輝かせながら歴史を話していたことがきっかけだったという。
制作は昨年の6月に始まり、約10カ月をかけた。対象は島津連合区の愛宕、大谷、大橋、溝川、春日、島津口の6地区。長老らへの聞き取りや町内のまち歩きを重ねたほか、「網野町誌」「島津誌」などの文献資料も参考にし、地域の歴史や思い出を読みやすく再編集した。
誌面では、島津の成り立ちや仕事の歴史、祭りに加え、「子どもが主役の地蔵盆」「島津を救った水抜きトンネル」「島津へ太刀(たち)振りを伝えた大谷の青年たち」など、地区ごとの記憶や言い伝えを紹介。各地区のマップには、店跡や機屋跡、遊び場、行事の舞台になった場所なども描き込み、「知っているようで知らなかった」地域の姿をたどれる内容にした。
聞き取りでは、「しゃべれることなんもないで~」と言いながらも、話し始めると皆が生き生きと楽しそうに語ってくれたという。若狭さんは「そうした語りの積み重ねが冊子の土台になった」と振り返る。
配布後は住民から「島津がすごいところに見えてきた」「ずっと住んでいるのに、まだ知らなかったことがあった」などの声が寄せられたという。「イラストマップに自宅が描いてあって子どもたちが喜んでいた」という反応もあり、同地区以外の人からも「読んでみたい」「いいところに住んでいるね」という感想が届いているという。
若狭さんは「もともと『地域の話題で盛り上がる感覚を残したい』という思いから立ち上げた企画だったが、その感覚は間違っていなかったと確信している。完成したマップを見た方の感想から、このマップの趣旨がしっかり届いたことを感じており、とてもうれしい」と話す。
冊子は島津連合区に配布。地区外で配布を希望する場合は、若狭さんのインスタグラムのDMで連絡。