イベント「キコリ谷ナイトピクニックシネマ」が8月18日、「キコリ谷テラス」(京丹後市弥栄町船木)で開催された。
ナイトピクニックシネマの開催は今回が初めてで、全国を旅する移動映画館「キノ・イグルー」と同店がコラボして企画した。当日は、1999(平成11)年に発表されたアメリカ映画「遠い空の向こうに」とスウェーデンの短編アニメーション映画「オーレ・エクセル イン モーション」、大藤信郎監督が1936(昭和11)年に発表した短編アニメーション映画「ちんころ平平玉手箱(へいべいたまてばこ)」を上映した。
映画の上映を始める日没後までの間、参加者にピクニックを楽しんでもらえるように「ミルク工房そら」(久美浜町)やスパイスカレー店「ORU SPICE(オルスパイス)」(兵庫県出石町)、レストラン「OFF KINOSAKI」(兵庫県城崎町)など、北近畿の飲食店7店が出店した。
キノ・イグルーは2003(平成15)年設立。映画館を持たず、東京を拠点に全国各地のカフェやパン屋、博物館、無人島などのさまざまな場所で、世界各国の映画を上映している。営業は行わず、場所を持っていたり、活用したいと思っていたりする人からの依頼で活動し、空間や依頼主の思いに合わせて作品を選んでいるという。
キノ・イグルー主宰の有坂塁さんは、作品選定について、「会場からは大空が見えるので、大空の下で見たいものは何だろうと考えた。また、夢を持っている人を純粋に応援できる世の中になってほしいと思い、『遠い空の向こうに』を選んだ」と話す。
会場には「遠い空の向こうに」の作中で登場するロケット3機を模した装飾を施し、多くの参加者が上映後に写真を撮った。ロケットを制作した「キコリ谷クリエイターズギルド」の伊原裕晃さんは「劇中で印象的な3機のロケットが会場にあれば、お客さまに喜んでもらえると思った。最初は1機だけと思っていたが、作り始めたら止まらなくなり、3機作ってしまった。喜んでもらえたのであれば何より」と話す。
上映後、有坂さんは「会場は大自然の中にあり、周りに民家がなく、音の響きが独特だった。バッタがスクリーンに止まっていて、この場所ならではの映画上映会だった」と振り返る。
参加者からは「野外で映画を見る体験は新鮮で、特別感があった」「有坂さんの解説があると、より映画が楽しめると思った」「月1回くらいやってほしい。これが習慣になれば」などの声が聞かれた。