京丹後の「マルキ建設」(京丹後市大宮町)の堀貴紀さんが3月8日、中小企業庁が開催する第4回「アトツギ甲子園」でグランプリ経済産業大臣賞を受賞した。
アトツギ甲子園は、全国の中小企業の後継者が家業の経営資源を生かした新規事業アイデアのプレゼンテーションで日本一を決めるピッチイベント。本年度は、九州・沖縄、中国・四国、近畿、関東・中部、北海道・東北の5カ所で開催。各所で勝ち進んだ15人が決勝大会に臨んだ。
堀さんは「公共残土で地域と食卓を豊かに」をテーマにプレゼンテーションを行った。堀さんは、京丹後で総合建設業と農業を営む同社の3代目。
プレゼンテーションの内容は、公共残土を用いて耕作放棄地で稲作を行い、米粉を製造・販売するもの。公共残土の処理と耕作放棄地の問題を新規事業で解決する試み。現在、試験的にさまざまな作物を植えているという。
「普段、土木工事の現場にいることが多い。今後経営を担う後継ぎとして、何か新しいことをしないといけない常々思っていた。父親も健在で、今のうちにいろいろな取り組みをして、冒険してみるべき。アトツギ甲子園はチャンスだと思った」と掘さんは話す。
アトツギ甲子園への出場を振り返り、「コミュニティーが広がった。出場していなかったら出会えなかった人ばかり。後戻りできないよう背中を押してもらっている感覚がある」と堀さん。グランプリ受賞については、「想像以上の注目で驚いている。自分の存在が、現場にいる、くすぶっている後継ぎたちに、勇気を持って踏み出そうというメッセージを伝えられていたらうれしい。とは言え、調子に乗りすぎず、しっかりやっていきたい。今後は耕作放棄地への公共残土の受け入れ、栽培する作物の調査を進めていきたい」と意気込みを見せる。