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京丹後の地酒店が独自商品「龍宮浪漫譚」 海底27メートルで半年熟成

松栄屋 店主の橋本幸憲さん

松栄屋 店主の橋本幸憲さん

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 京丹後の地酒店「松栄屋」(京丹後市網野町木津)が6月1日、「海底熟成海囲い酒:龍宮浪漫譚(りゅうぐうろまんたん)」を発売した。

龍宮浪漫譚 海底から引き上げたときはたくさんの貝が付いている

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 同店は1935(昭和10)年創業。現店主の橋本幸憲さんは3代目。創業当時は生活雑貨や食品を扱う商店だった。スーパーやディスカウントストアの出現で、酒販店に業種を変えたという。橋本さんが継いでからは地酒に特化した店となり、地元の酒蔵とコラボしたオリジナル商品も企画・販売している。

 現在の業態に変えた当初から丹後地域の酒蔵を巡り、日本酒の知識を学んだり、新酒の情報を得たりしているという。橋本さんは「お客さまに聞かれたらちゃんと説明したい。せっかくだから自分も楽しんで働きたいし、そのためにも知ることは大事」と話す。

 同商品は2014(平成27)年に企画し、翌年から毎年販売。企画のきっかけとして、「江戸時代、灘の酒は神戸まで船で運ばれ、その酒が出来たてよりもおいしかったという話を聞いた。酒をうまくするには振動や揺らぎが大切だと思った。丹後は海の京都といわれ、海で揺られた酒があったら面白いと思った」と橋本さんは振り返る。

 漁師に協力してもらい、日本酒をおよそ半年間、海底27メートルに沈める。紫外線や温度変化が少ない海底は、日本酒を熟成させるのに適した環境だという。海底から引き上げると、フジツボなどの貝類がたくさん瓶に付いている。それを手作業である程度取り除き、販売している。橋本さんは「実際に海底に沈めた酒はおいしい。味わってみてほしい」と呼びかける。

 「死ぬまでクリエーターの端くれでいたい」と橋本さん。今後も地元の酒蔵とのコラボ酒を企画していくという。

 同商品は、「白嶺」「久美の浦」「白木久」「与謝娘」「玉川」「弥栄鶴」と「天橋立ワイン」のロゼと白、全8種。1本6,600円。営業時間は7時~18時。木曜定休。

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