京丹後のサウナ施設「蒸-五箇サウナ-」(京丹後市峰山町)で4月19日、「精神科医と入るサウナ」が実施された。同施設は月1回、「うつとサウナ」を開催し、精神疾患を患う当事者やメンタルヘルスに悩む人などの居場所づくりに取り組んでいる。営業時間中は自由にサウナに入ることができ、過ごし方は自由。
主催の松本駿平さんは、以前にうつを患い休職していた経験を持つ。「逃げ場を作りたいと思い『うつとサウナ』を企画した。地方には医療の選択肢が少なく、病院ではできないところをカバーできるかもしれない。日に当たり、人と話すことが大事。ここは自然がたくさんあり、それができる場所。(ここに)来て、サウナに入り、リフレッシュしてもらえたら」と松本さん。今回の企画については、「病院へ行くことに抵抗がある人も多いし、何か怖いと思われることもある。一般の人が精神科医に触れる機会も少ない。来て、知ってもらって、少しでもイメージが改善されたら」と話す。
参加した精神科医のMAO(マオ)さんは普段、京都府北部の医療機関で働く。以前、与謝野町に赴任していたこともあり、松本さんの取り組みの相談を受けていた。「すごくいいと思った。昔と比べて通院のハードルは下がってきているが、まだ偏見もある。自然とサウナがあるからカジュアルにいられる。こんな場所だからこそ話せることもあるかもしれない」とMAOさん。
参加者からは「医者と患者という立場がなく、いろいろ聞かせてもらったのが良かった。プライベートな感じもあり、話しやすかった」という声が聞かれた。
「うつとサウナ」は今後も月1回開催予定、次回は5月22日。営業時間は14時~18時。参加費は500円。松本さんは地元・愛知県でサウナを立ち上げるため、次回からは松本さんと同じようにうつ経験のある従業員の大石雄太さんが企画を担当する。