
一棟貸しの宿泊施設「野間野(ノマノ)」(京丹後市弥栄町須川)が6月6日、プレオープンした。経営は互恵デベロップアーク(東京都千代田区)。
同社の松村恭宏社長は弥栄町出身。不動産業で培ったノウハウを生かし、地元・丹後の古民家をリノベーションしたいと5年前から構想していたという。松村さんは「丹後が大好きで、寄付などをしてきたが、もっと自分で魅力を発信して活性化していきたいと思っていた。施設がある野間地域はハウスメーカーの家が建っていない昔ながらの景色が残っている地域で、子どものときは川でよく遊んでいた。ここで古民家の良さを丸々生かした一棟貸し施設をリノベーションしてみたいと思った」と振り返る。
同施設は築約100年で合掌造りの古民家。一棟貸しの施設にリノベーションするに当たり、国内外でレストランの内装などを手がけるオヤマツデザインスタジオ(東京都目黒区)の親松実さんが設計デザインを、美術家のミヤケマイさんがロゴデザインや室内のアート・インテリアを、それぞれ担当した。
いろりや炉端、縁側はなるべくそのまま残し、昔の雰囲気を感じられるようにしたという。寝室は全4部屋。ほかに、キッチンやダイニング、床の間、掘りごたつの間などがあり、最大12人で宿泊することができる。ダイニングには約4メートルの一枚板を使ったテーブルがある。離れには茶室を模したサウナがあり、滞在中はいつでも利用できる。
松村さんは「柱や梁(はり)がとても立派な建物、この建物のポテンシャルに負けないように本気でリノベーションした。自然を近くに感じながら『時間がゆっくりになる』滞在をしてもらいたい。いい意味で都会とのギャップを感じられる場所」と話す。清掃スタッフは地元で採用し、地域の雇用創出にも取り組む。
プレオープン期間の6人までの宿泊料金は、日曜~木曜=9万8,000円~、金曜・土曜・祝前日=12万6,000円~。7人以上は追加料金が発生する。予約はウェブサイトで受け付ける。