
京丹後のサツマイモ農家「竹田農園」(京丹後市峰山町二箇)が「さつまいも・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、同園代表の竹田克寛さんと従業員の後藤托惺さんが2月23日、さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)「けやきひろば」で行われた授賞式に臨んだ。
今回受賞した「ふくむらさき」。竹田さんお勧めの食べ方は焼き芋
同賞は、品評会「日本さつまいもサミット」に出品された日本中のサツマイモの中から、特に味わいの優れたものを表彰するもの。審査は品種以外の項目を伏せて行われ、蒸し芋の状態で味を比較。品種ごとに評価され、同園の「ふくむらさき」が「その他部門」で受賞した。同園は昨年「紅はるか部門」で受賞し、2年連続の受賞となった。
「ふくむらさき」について、竹田さんは「紫芋に甘いイメージはなかったが、ふくむらさきは焼き芋にすると甘くおいしい品種」と話す。ふくむらさきは2021年に登録されたばかりの新しい品種で、同園では2024年から栽培している。
竹田さんは、茨城県で7年間農業を学んだ後、より広い土地で農業をするため、6年前に京丹後市に移住した。当初はキャベツやニンジンを栽培するつもりだったが、畑のある地域の土質や水の量がサツマイモに合っていると気づいたことから、サツマイモの栽培を始めた。
竹田さんは「京丹後は特にサツマイモが有名な地域ではない。そのため、価格を下げないと取引してもらえない現状がある。今回の受賞で、京丹後のサツマイモがおいしいという裏付けになればうれしい」と話す。受賞の知らせは市の広報やテレビ番組で取り上げられ、地元の人からの反響が大きかったという。
後藤さんは「20種類ある焼き芋の味の違いが分かるようになった。竹田農園は面白い人が多く、働いていて楽しい。今後は働きながら、自分のやりたいことを見つけたい」と話す。
今後について、竹田さんは「関西でサツマイモの産地といえば京丹後と言われるようにしたい。まず自分たちが有名になることで、京丹後市内でサツマイモ栽培が広がっていってほしい」と意気込む。
同園のサツマイモは現在、峰山郵便局(峰山町)で販売している。