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京丹後・丹後ちりめんで新商品「カップチリメン」 熱湯で縮む特性生かす

「cijimu」の3人 左から、織物職人の臼井勇人さん、デザイナーの武田美貴さん、織物職人の田中栄輝さん

「cijimu」の3人 左から、織物職人の臼井勇人さん、デザイナーの武田美貴さん、織物職人の田中栄輝さん

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 京丹後で丹後織物の魅力を発信するブランド「cijimu(ちぢむ)」が5月17日、新商品「CUP CHIRIMEN(カップチリメン) 巾着 POUCH海苔(のり)・梅」を発売した。

「カップチリメン」に入っている巾着の材料と完成品

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 「cijimu」は丹後ちりめんの「ちぢむ」をテーマに、丹後織物の魅力を発信する織物職人とデザイナーとの共同ブランド。織物職人の臼井さんと田中さんは、丹後ちりめんを使って幅広く商品企画・製造・販売に取り組む「たてつなぎ」のメンバーでもある。今まで地元企業とのコラボ商品を多く販売してきた。

 丹後ちりめんは丹後地域を中心に生産される織物。表面に「シボ」と呼ばれる細かい凹凸が特徴。撚(よ)りのない経糸(たていと)と1メートル当たり3000回ほどの強い撚りを加えた緯糸(よこいと)を交互に織った後、表面を覆う「セリシン」を取り除くことでシボが出るという。熱湯をかけると縮む特性があり、「cijimu」はこの特性を生かした商品企画・製造・販売している。

 企画のきっかけは2023年末に「体験型の商品を作ってほしい」と依頼があったこと。もともと30分以上かけて縮む丹後ちりめんの生地が、試行錯誤をしているうちに3分ほどで縮むようになったという。たまたま生地が三角形になり、「これはおにぎりでしょ」とひらめき、商品コンセプトが決まったという。

 同商品は、容器に入っている生地以外を取り出し、熱湯を注いでふたを閉め3分待つ。そうすると生地が縮み巾着に適した形状に変化する。湯を出して乾かした後、アイロンで「海苔(のり)」か「梅」のフェルトを付けると、「丹後ちりめん」の巾着が完成する。

 織物職人の臼井さんは「丹後ちりめんを知らない人に使ってもらいたい。今までは高い着物でしか触れることができなかった。ポップで面白い商品を作ることで敷居を下げて、ちりめんの良さを広げていきたい」と意気込む。

 デザイナーの武田さんは「気軽に買えるちりめんの土産がなかった。この商品だったら、誰でも手軽に買ってもらえるかもしれない」と話す。「今後も『ちぢむ』をテーマにさまざまな商品を作っていく。海外展開も狙うため、英語の説明書も同封してある」と田中さん。

 価格は1,980円。ECサイトで扱うほか、6月29日までは京セラ美術館(京都市左京区)のミュージアムショップで販売。今後も全国の美術館や丹後織物工業組合(京丹後市大宮町)のショップなど、販売チャネルを拡大していく予定。

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