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与謝野町に初のベトナム料理店 看板メニューは丹後の食材で作るバインミー

「静庵」店主の内田真奈美さんと一緒に働く長男の大雅さん

「静庵」店主の内田真奈美さんと一緒に働く長男の大雅さん

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 ベトナム料理店「静庵(しずかあん)」(与謝野町加悦奥)が9月15日にオープンした。同町では初めてのベトナム料理店となる。

丹後バインミーのランチセット(写真提供=静庵)

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 店主は与謝野町出身で、2年間、大阪のベトナム料理店で修業を積んだ内田真奈美さん。以前は福祉施設で働いていたが、子どもが親元を離れたことを機に、昔からやりたいと思っていたベトナム料理店にチャレンジしたという。昨年より京丹後市のイベント「キコリ谷の収穫祭」などに出店し、認知を広げてきた。

 内田さんは「ベトナム料理はだしを扱い、優しい味付けで野菜を多く取れる。日本人にも合っていると思った。とてもおいしいので、丹後の人にも知ってもらえれば」と話す。

 店は、内田さんの実家の離れを改装した。内田さんが幼い頃に住んでいて、内田さんの祖父が祖母のために茶室を作り、祖母がお茶会や教室を開いていた思い出の場所。祖母と祖父が亡くなった後は茶室を使う機会を作れず、手付かずだったという。店名の「静庵」は祖母が亡くなったときに母が祖母を思ってつけた名前。内田さんは「家族の思い出が詰まった場所で、いろいろ考えたが、離れを店にしようと決意した」と振り返る。席数は10席。

 同店が目指すのは「丹後の食材を使って、ベトナム料理を提供する」こと。ランチはベトナムのサンドイッチであるバインミーと米粉麺を使ったフォーを中心に、夜はお酒に合うアラカルトメニューやコース料理を提供する。野菜はもちろん、鶏肉は「三野養鶏場」(伊根町)、牛骨は「山と海with日本海牧場」(弥栄町)、デザートに使うタピオカは「京丹後タピオカ製造工場」(網野町)など、丹後のものを中心に使う。

 バインミーのパンは「e+kitchen」(与謝野町)に特注した。「バインミーは絶対やりたかった」と内田さん。「ベトナムのバインミーのパンは主張しないパン。日本人の口に合うように、小麦の香りや甘みを出し、外はパリッと中はふんわり具材の味を邪魔しないものを、『e+kitchen』の小長谷さんと一緒に試行錯誤してきた」とも。パン酵母には与謝野町産のホップが使われており、地産地消にこだわる。

 内田さんは「ベトナム調理の基本は『五味・五菜・二香』。味だけでなく、香りも、時間も楽しむ文化。ベトナム料理を通して、文化も知って楽しんでもらえたら。まずは地元の人にベトナム料理のおいしさを知ってもらい、将来的には外国人観光客に古民家の魅力や丹後の食材を知ってもらいたい」と意気込む。

 営業時間は、ランチ=11時~15時、ディナー=18時~21時30分。火曜・水曜定休。木曜はバインミーのテイクアウト販売のみ。席数が限られるため、LINEでの予約を呼びかける。

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