宇川温泉よし野の里(京丹後市丹後町久僧)で11月8日、「秋の収穫祭」が開催される。主催は近隣の自治組織「うかわコミュニティ」で、龍谷大学政策学部の今里ゼミが企画する。
開催のきっかけは、同ゼミが宇川地域で栽培する米に獣害が出たこと。昨年度は鹿による被害で、ほとんど収穫ができなかった。本年度は獣害対策をしたことで被害が小さく、収穫を祝う意味も込め、初めて同イベントを開催する。
当日は、ミニコンサート、ネイチャーイベント、クイズ大会、米の試食会を行う。ミニコンサートで演奏するのは同地域の住民による軽音サークル。同ゼミの学生も歌でコラボを予定する。ネイチャーイベントでは、会場の近くの田んぼを使って宝探しを行う。現在は使われていない田んぼの中に景品を入れたカプセルを隠し、参加者はそれを探して景品を手に入れる。
クイズ大会では、同ゼミから同地域のことや獣害のことについてクイズを出題。正解数上位の人には、同ゼミが販売する梅ジャムのセットや温泉入浴券を賞品として進呈する。米の試食会では、同ゼミの学生が今季収穫した米を使っておにぎりを作り、みそ汁とともに提供する。
ゼミ長を務める深串仁さんは「地域資源の活用の仕方などについてアンケートを行う。ゼミ生とおにぎりを食べたり、談笑したりしながら、ぜひ回答してもらいたい」と話す。
同ゼミは月1回、合宿を行い、同地域のイベントに参加したり、農作業や広報活動を行ったりしてきた。合宿以外でもオンラインツールを活用し、同地域の住民と関わりを持ち続けている。同イベントを企画したのは主にゼミの10期生で、5期生が獣害について研究した資料や、6期生が始めた梅ジャムの製造・販売などを引き継いで同地域の研究を進めている。
11月9日に行われる同地域の文化祭では、同ゼミ主催のフォトコンテストを開催。同ゼミで情報発信プロジェクトのリーダーを務める八田大和さんは「宇川で撮影された写真を地域内外の人に見てもらい、宇川という地域に誇りや関心を持ってもらえたら」と話す。
深串さんは「当イベントは家族連れをターゲットにしている。自然を楽しむイベントをきっかけに、この先宇川をずっと応援してくれる人が増えたら」と期待を込める。
同ゼミの担当教員である同大政策学部の今里佳奈子教授は「宇川地域には地域資源がたくさんあり、住民もいい人が多く頑張っているのに、あまり知られていないのが現状。可能性のあるまちなので、イベントなどを通じて魅力をどんどん広げていきたい」と話す。
開催時間は14時~17時。入場無料。