
京丹後市久美浜町永留にある人工巣塔で6月4日、国の天然記念物に指定されているコウノトリのひなに「足環(あしわ)」を取り付ける作業が行われた。京丹後市内では今年2回目。
野生のコウノトリは1971(昭和46)年に一度絶滅しており、その後、兵庫県豊岡市を中心に野生復帰に向けた活動が行われてきた。色分けと番号が付与された足環で個体識別をすることで、コウノトリが野生復帰するための情報を得ることを目的に今回の作業が行われた。
作業は「兵庫県立コウノトリの郷公園」(兵庫県豊岡市)の職員3人と、京丹後市教育委員会文化財保存活用課の職員2人で行われた。作業内容は、まず高所作業車で巣内のひなを捕獲。その後、地上の日陰で体重測定や足環装着、採血、DNA検査を行い性別を判断するための羽毛の採取などが行われた。
今回足環を装着したひなは1羽で、体重は4.5キロ、全長は88.5センチ。雌の親鳥は豊岡市の人工巣塔から巣立った個体で、雄の親鳥には足環が付いていなかった。親鳥には「クラッタリング」といい、威嚇などのためにくちばしをたたき合わせて音を出す行動も見られた。
今回、足環装着を担当した同課の糸井智哉さんは「初めて高所作業車に乗ったり足環装着をしたりしたので難しかったが、公園の方と協力して行えたので良かった」と振り返る。
同園の松本令以さんは「今は私たちが全国に出向いて足環を装着しているが、いずれは地元の動物園などと市町が協力して装着できるような体制を作りたい」と話す。