
ブティックホテル「mizuya」(宮津市字鶴賀)が5月10日、宮津にオープンした。
全客室に陶芸家の片川祐之介さんの茶器が備えられ、宿泊客は自分でお茶をいれる体験ができる(提供=mizuya)
同ホテルは、50年前に建てられた宮津市所有の福祉施設の物件を京都府教科図書販売(京都市区)が取得し、「HOTEL SHE」(京都市中京区)や「香林居」(石川県金沢市)を手がける水星(京都市下京区)がプロデュースして、建物をリノベーションした。丹後地域の不動産やエリア開発を行う「京都丹後企画」(与謝野町)が運営を担う。
支配人は、「クロスワークセンターMIYAZU」(宮津市)に3年間勤め、同市のまちづくりに携わってきた井章太さん。北海道出身で、2022年に宮津市に移住した。宮津が好きになり、国内外の観光客や関係人口の人たちに宮津をより知ってもらえるよう、まち歩きのガイドや体験ツアーなどの企画がしたいと考えていたところ、同ホテル支配人募集があり、「自分1人で活動するより、たくさんの人に宮津のことを届けられる仕事かもしれない」と、飲食・サービス業の経験はなかったが、チャレンジを決めた。
同ホテルのコンセプトは「ニュートラディショナル」、宮津の歴史や伝統を再編集し、ホテルの中で表現しているという。エントランスには丹後ちりめんの織機を置き、ホテル内のカフェ「cafe & bar菓寮 浮雲」の看板は天橋立の倒木を活用。全客室にお茶体験ができる茶器や丹後ちりめんを使ったカーテンを備えている。朝食は丹後地域の郷土料理「ばらずし」からインスピレーションを得た御膳を提供。コンクリートの壁には建設された50年前当時のメモ書きも残っており、歴史を感じてもらうため、あえてそのままにしているという。
客室は9室で、うち2室がサウナ付きのスイートルーム。予約制のプライベートサウナも宿泊客限定で利用できる。
筒井さんは「宮津の良さを味わってもらえるホテル。織物や漁業など体験メニューも用意し、宮津のことをより知ってもらえるようにしたい。カフェは誰でも利用できるので、地元の人も気軽に訪れてほしい。地元の人が自慢できる場所になれれば」と意気込む。
宿泊料金は2万8,000円(朝食付き)~。「菓寮 浮雲」の営業時間は、カフェ=12時~17時、バー=18時~22時。宿泊客以外も利用できる。