京都北部を拠点に活動する女子サッカーチーム「KYOTO TANGO QUEENS(キョウト・タンゴ・クイーンズ)」(京丹後市大宮町善王寺)が12月8日、同チームの今シーズン最終戦に勝利し、リーグ優勝した。
試合の様子(写真提供=KYOTO TANGO QUEENS)
同チームは、岩手県や山口県、大阪府などから移住した社会人選手と京都府北部、豊岡市の中高生、約30人で構成されている。
2022年に関西2部リーグに参入した同チーム。今シーズンのキャプテンは「なでしこリーグ」の「愛媛FCレディース」に所属していた安藤百合香選手が務める。
4月14日に滋賀県野洲市内で行われた今シーズン初戦「レーベ」戦を12-0で破ると、そこから連勝を続けた。「beillevaire西宮」戦は引き分けとなったものの、0-0で無失点だった。今回、滋賀県甲賀市内で行われたシーズン最終戦「京都紫光SC」戦を1-0で勝ち、11勝1引き分けの無敗でブロック優勝し、関西1部リーグへの昇格を決めた。2022年は16チーム中11位、3年で大きな成長を遂げた。
最終戦前半は点が入らず、緊迫した雰囲気だったという。後半、二宮早紀選手が大江来暖選手からのパスを受け、シュート。「泥臭い、クイーンズらしい1点だった」とチーム代表の吉野有香さんは振り返る。
試合について、安藤選手は「大事な局面でも、チーム全体で耐え抜き、大事な1点を全員でもぎ取れた。優勝を決めることができて本当に幸せ。これからも応援してくださる方々に恩返しができるよう、さらに前に進んでいきたい」、優勝点を決めた二宮選手は「このチームなら必ず勝てると全員が信じて戦えたことが勝利につながったと思う。まだまだ進化を続けていく」と、それぞれコメントする。
同チームは2021年4月に創設。元「なでしこリーグ」選手の吉野さんが代表を務める「ゆかサル」(弥栄町)が運営し、2023年には京丹後市と「スポーツを通じたまちづくりに関する連携協定」を締結。スポーツを通じたまちづくりに取り組んできた。
取締役で運営を担う平林正教さんは「優勝したことが純粋にうれしかった。選手たちの成長を実感し、達成感もすごかった」と振り返る。平林さんは京丹後市出身で、「田舎だからできない」を払拭したいとチームの設立から運営に携わっている。
チームの方針について、吉野さんは「サッカーを嫌いにならず、好きなままプレーできるチームを目指している。そのために心理的安全性や意思決定を大事にしている」と話す。
チーム成長の要因については、「一人一人の選手に向き合い続けることが大事」と吉野さん。平林さんは「チームの雰囲気が良く、楽しそうにしている様子が新しい選手やスタッフを呼び込み、好循環ができている」と話す。来シーズンに入団する選手やスタッフも決まっているという。
今後の展望について、平林さんは「2030年までに京丹後にスタジアムを建設するのが目標。来年からはスポーツツーリズムの展開にも力を入れていき、東南アジアのチームとの提携も進める予定。資金面での課題もあり、広報も強化していきたい」と意気込む。