
カヌーの普及活動に取り組む任意団体「CANOA KUMIHAMA(カノアクミハマ)」によるカヌー体験事業が夏季限定で、久美浜湾カヌーセンター(久美浜町)で行われている。
久美浜の町なかをカヌーで移動する(提供=CANOA KUMIHAMA)
久美浜町は、2020年の東京オリンピックでスペインとポルトガルのカヌー選手のホストタウンになり、その際に艇庫の建て替えが行われた。同団体の中道佑樹さんは「建て替えが行われたときに当センターは誰でも使える施設になったが、今まで小学校の親子行事などに貸し出すのみで活用できていなかった。もっとカヌーと久美浜湾の良さを広めたいと、ガイド付きのカヌー体験事業を始めた」と振り返る。同じく野口加奈恵さんは「今まで施設はあるのに地元の人が使いづらく、乗り方も知らないという人が多かった。久美浜の魅力を伝えるのにカヌーはとても適している。もっと気軽に乗れるようにしたかった」と話す。
体験コースは、(1)久美谷川を上るコース、(2)湾をこいで近くの陸地を目指すコース、(3)湾をこいでかぶと山を目指すコースの3つがある。野口さんは「コース1は、橋の下をくぐったり、町を川から見上げたりと新鮮な体験ができる。波がないので初心者の人にもお勧め。コース2は、湾の上をこぎたい人向け。カヌーでしか行けないところに行けるのもいい。コース3は体力に自信がある人に勧めたい。リピーターがこのコースを選ぶこともある」と話す。
体験で使うのはパラカヌーでも使う1人乗りの舟。そのほか、2人乗りのものや、SUP(サップ)用のものも用意している。
野口さんは「『水上は最大のバリアフリー』という言葉がある。山陰海岸ジオパークに指定されている久美浜湾や久美浜町の良さをもっと知ってもらいたい」と話す。
中道さんは「久美浜湾は波が穏やかなので安全に楽しんでもらえる。スタッフはパラカヌーの講習を受けているので、安心して体験してほしい。カヌーを気軽に楽しんでもらうことで、将来の競技カヌー人口が増えたらという思いもある。安全にカヌーを楽しんで、非日常を味わってほしい」と話す。
料金は、大人=1艇7,000円、小学4年生以上=同4,000円、小学3年生以下(大人と同乗)=2,000円。午前と午後の2部制。体験希望日の3日前までに要申し込み。9月30日まで。