
「ゆかたでぶらり・ちりめん街道2025」が7月5日、ちりめん街道(与謝野町加悦)で開催された。主催はちりめん街道を守り育てる会。
ちりめん街道を訪れ、その魅力を知ってもらい、和装を着るきっかけにしようと企画した同イベント。以前より同会が秋に「きものでぶらり・ちりめん街道」を開催しており、夏は浴衣を着る機会として同イベントを3年前にスタートした。
ちりめん街道は、江戸時代から昭和初期にかけて丹後ちりめんの生産で栄えた南北700メートルの旧街道で、歴史的な建造物が今も残されている。2005(平成17)年には国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。京都府北部で指定されているのは、舟屋が並ぶ伊根町伊根浦とちりめん街道の2つ。同会は20年以上前、重要伝統的建造物群保存地区に指定されることを目指して設立され、現在は保全活動以外にも多くの人に街道の魅力を知ってもらおうと活動している。
当日は17時~21時に開催した。街道沿いにあんどんを設置し、日没後は、あんどんの明かりが足元を照らした。街道内の水辺公園周辺にはキッチンカーや飲食店が20店出店し、地元客が楽しむ様子が見られた。そのうち4店舗が京都市内からの出店だった。旧尾藤家内では「庄蔵市(しょうぞういち)」が行われ、アンティーク着物店「千と千と千」(与謝野町)などが浴衣や小物を販売。19時からは京都府立宮津天橋高校の合唱部が合唱を披露した。世代、男女問わず、浴衣を着てイベントに参加している様子が見られ、中には外国人観光客の姿もあった。
参加者からは「昼間見るちりめん街道と違った趣のある雰囲気が楽しめて良かった」「旧尾藤家に初めて入った」「みんなで浴衣を着る機会があっていい」などの声が聞かれた。
同会の佐々木貴昭委員長は「活性化するための仕組みが必要だと思って、やり続けてきた。次世代にちりめん街道を残したい、与謝野で生まれ育った子どもたちが将来帰って来られる場所にして残していけたら。このイベントがその一つのきっかけになれば」と期待を込める。